第4章 土地の使用(第49条―第67条)/森林法


(昭和二十六年六月二十六日法律第249号)

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最終改正:平成一五年五月三〇日法律第53号

(最終改正までの未施行法令)
平成十五年五月三十日法律第53号(一部未施行)
 

   第4章 土地の使用

(立入調査等)
第49条  森林所有者等は、森林施業に関する測量又は実地調査のため必要があるときは、市町村の長の許可を受けて、他人の土地に立ち入り、又は測量若しくは実地調査の支障となる立木竹を伐採することができる。
 市町村の長は、前項の許可の申請があつたときは、土地の占有者及び立木竹の所有者にその旨を通知し、意見書を提出する機会を与えなければならない。
 第1項の許可を受けた者は、他人の土地に立ち入り、又は立木竹を伐採する場合には、あらかじめその土地の占有者又は立木竹の所有者に通知しなければならない。
 第1項の規定により他人の土地に立ち入り、又は立木竹を伐採しようとする者は、同項の許可を受けたことを証する書面を携帯し、その土地の占有者又は立木竹の所有者にこれを呈示しなければならない。
 第1項の規定により他人の土地に立ち入り、又は立木竹を伐採した者は、これによつて生じた損失を補償しなければならない。
 森林所有者等は、森林に重大な損害を与えるおそれのある害虫、獣類、菌類又はウイルスが森林に発生し、又は発生するおそれがある場合において、その駆除又は予防のため必要があるときは、市町村の長の許可を受けて他人の土地に立ち入ることができる。この場合には、第2項から前項までの規定を準用する。

(使用権設定に関する認可)
第50条  森林から木材、竹材若しくは薪炭を搬出し、又は林道、木材集積場その他森林施業に必要な設備をする者は、その搬出又は設備のため他人の土地を使用することが必要且つ適当であつて他の土地をもつて代えることが著しく困難であるときは、その土地を管轄する都道府県知事の認可を受けて、その土地の所有者(所有者以外に権原に基きその土地を使用する者がある場合には、その者及び所有者)に対し、これを使用する権利(以下「使用権」という。)の設定に関する協議を求めることができる。
 都道府県知事は、前項の規定による認可の申請があつたときは、その土地の所有者及びその土地に関し所有権以外の権利を有する者(以下「関係人」という。)の意見を聞かなければならない。
 都道府県知事は、第1項の認可をしたときは、その旨をその土地の所有者及び関係人に通知するとともにその土地の所在する市町村の事務所に掲示しなければならない。
 第1項の認可を受けた者は、同項の搬出又は設備に関する測量又は実地調査のため必要があるときは、他人の土地に立ち入り、又は測量若しくは実地調査の支障となる立木竹を伐採することができる。この場合には、前条第3項から第5項までの規定を準用する。

(裁定の申請)
第51条  前条第1項の規定による協議がととのわず、又は協議をすることができないときは、同項の認可を受けた者は、農林水産省令で定める手続に従い、その使用権の設定に関し都道府県知事の裁定を申請することができる。但し、同項の認可があつた日から六箇月を経過したときは、この限りでない。

(意見書の提出)
第52条  都道府県知事は、前条の申請があつたときは、農林水産省令で定める手続に従い、その旨を公示するとともにその申請に係る土地の所有者及び関係人に通知し、二十日を下らない期間を指定して意見書を提出する機会を与えなければならない。
 都道府県知事は、前項の期間を経過した後でなければ、裁定をしてはならない。

(裁定)
第53条  使用権を設定すべき旨の裁定においては、左に掲げる事項を定めなければならない。
 使用権を設定すべき土地の所在、地番、地目及び面積
 設定すべき使用権の内容及び存続期間
 使用の時期
 補償金の額並びにその支払の時期及び方法
 都道府県知事は、前項第1号及び第2号に掲げる事項については、申請の範囲内で、且つ、第50条第1項の搬出又は設備のため必要な限度で、前項第4号に掲げる事項については、あらかじめ収用委員会の意見を聞き、これに基いて裁定をしなければならない。
 都道府県知事は、第1項の裁定をしたときは、遅滞なく、農林水産省令で定める手続に従い、その旨をその裁定の申請者及び前条第1項の通知を受けた者に通知するとともにこれを公示しなければならない。

(使用権の取得)
第54条  前条第1項の裁定があつたときは、その裁定において定められた使用の時期に、裁定を申請した者は、その土地の使用権を取得し、その土地に関するその他の権利は、その使用権の内容と抵触する限度においてその行使を制限される。

(収用の請求)
第55条  使用権が設定された場合において、その土地の使用が三年以上にわたるとき、又はその使用権の行使によつて土地の形質が変更されるときは、土地の所有者は、その土地につき使用権を有する者に対し、その土地の収用に関する協議を求めることができる。この場合において、土地の一部が収用されることによつて残地を従来用いていた目的に供することが著しく困難となるときは、その土地の所有者は、その全部の収用に関する協議を求めることができる。
 前項の場合には、第51条本文及び第52条の規定を準用する。この場合において、第51条中「同項の認可を受けた者」とあるのは、「第55条第1項の協議を求めた者」と読み替えるものとする。
 前項において準用する第51条の裁定においては、その収用の可否を定め、収用すべき旨の裁定においては更に左に掲げる事項を定めなければならない。
 収用すべき土地の所在、地番、地目及び面積
 収用の時期
 補償金の額並びにその支払の時期及び方法
 前項の裁定については、第53条第2項及び第3項の規定を準用する。

(収用の効果)
第56条  前条第3項の収用すべき旨の裁定があつたときは、その裁定において定められた収用の時期に、収用する者は、その土地の所有権を取得し、その他の権利は、消滅する。

(協議がととのつた場合)
第57条  第50条第1項又は第55条第1項の規定による協議がととのつた場合において、その当事者が、農林水産省令で定めるところにより、それぞれその協議において定められた第53条第1項各号の事項又は第55条第3項各号の事項を都道府県知事に届け出たときは、その届け出たところに従い、使用権を設定すべき旨の裁定又は収用すべき旨の裁定があつたものとみなす。但し、第50条第1項の規定による協議については、同項の認可があつた日から六箇月以内に届け出た場合に限る。

(損失補償)
第58条  土地の使用又は収用によつてその土地の所有者及び関係人が受ける損失は、土地を使用し、又は収用する者が補償しなければならない。
 土地の一部を使用し、又は収用することによつて、残地の価格が減じ、その他残地に関して損失が生ずるときは、その損失を補償しなければならない。
 土地の一部を使用し、又は収用することによつて、残地に通路、みぞ、かきその他の工作物の新築、改築、増築若しくは修繕又は盛土若しくは切土をする必要が生ずるときは、これに要する費用を補償しなければならない。
 前2項に規定する補償の外、土地を使用し、又は収用することによつてその土地の所有者又は関係人が通常受ける損失は、補償しなければならない。
 土地の所有者又は関係人が、第50条第3項の規定による都道府県知事の通知があつた後に土地の形質を変更し、工作物の新築、改築、増築若しくは大修繕をし、又は物件を附加増置したときは、これについての損失は、補償しなくてもよい。但し、あらかじめ都道府県知事の承認を受けてこれらの行為をしたときは、この限りでない。

(使用の廃止による損失の補償)
第59条  第50条第3項の規定による都道府県知事の通知があつた後にその土地を同条第1項の目的のため使用することを廃止した者は、これによつてその土地の所有者又は関係人が損失を受けたときは、これを補償しなければならない。
 土地の所有者又は関係人は、前項の規定による損失の補償について土地の使用を廃止した者と協議がととのわず、又は協議することができないときは、都道府県知事に裁定の申請をすることができる。この場合には、第52条並びに第53条第1項第4号、第2項及び第3項の規定を準用する。
 前項において準用する第53条第3項の公示があつたときは、裁定の定めるところにより当事者間に協議がととのつたものとみなす。

(訴訟)
第60条  この章の規定による都道府県知事の裁定において定められた損失の補償に関する事項について不服がある者は、裁定の通知を受けた日から六十日以内に、訴を提起することができる。この場合には、第50条第1項の認可を受けた者、土地の所有者又は関係人を被告としなければならない。

(供託)
第61条  土地を使用し、又は収用する者は、左の各号の一に該当する場合には、補償金を供託することができる。
 補償金を受ける者がその受領を拒んだとき。
 土地を使用し、又は収用する者が過失がなく補償金を受ける者を確知することができないとき。
 土地を使用し、又は収用する者が補償金払渡の差押又は仮差押を受けたとき。

(協議又は裁定の失効)
第62条  土地を使用し、又は収用する者が補償金の支払の時期までにその支払(供託を含む。)をしないときは、その協議又は裁定は、その時以後その効力を失う。但し、土地の所有者及び関係人が損害賠償の請求をすることを妨げない。

(原状回復の義務)
第63条  使用者は、土地の使用を終つたとき、又は前条の規定により協議若しくは裁定が失効したときは、土地を原状に回復し、又は原状に回復しないことによつて生ずる損失を補償して、これを返還しなければならない。

(土地収用法の準用)
第64条  土地収用法(昭和二十六年法律第219号)第103条(危険負担)、第104条(担保物権と補償金等又は替地)、第106条第1項、第3項及び第4項(買受権)並びに第107条(買受権の消滅)の規定は、この章の規定による使用又は収用に係る土地に準用する。この場合において、同法第106条第1項中「第26条第1項の規定による事業の認定の告示の日から二十年以内」とあるのは「収用の時期から十五年以内」と、「事業の認定の告示の日から十年」とあるのは「収用の時期から五年」と、「権利取得裁決において定められた権利取得の時期」とあるのは「収用の時期」と、「事業の認定の告示の日から二十年の」とあるのは「収用の時期から十五年の」と、「第76条第1項」とあるのは「森林法(昭和二十六年法律第249号)第55条第1項後段」と、同条第3項中「権利取得裁決において定められた権利収得の時期」とあるのは「収用の時期」と読み替えるものとする。

(水の使用権の使用)
第65条  この章の土地の使用及び収用に関する規定は、水の使用に関する権利の上に使用権を設定する場合に準用する。

(水流における工作物の使用等)
第66条  森林から水流によつて木材若しくは竹材を搬出し、又は搬出する設備をする者は、その搬出又は搬出設備のため水流における他人の工作物を使用し、移動し、改造し、又は除却することが必要且つ適当であつて他の方法をもつて代えることが著しく困難であるときは、この工作物の所在地を管轄する都道府県知事の認可を受けて、その工作物の所有者(所有者以外に権原に基きその工作物を使用する者があるときは、その者及び所有者)に対し、その工作物の使用、移動、改造又は除却に関する協議を求めることができる。この場合には、土地の使用及び収用に関するこの章の規定を準用する。

(流送木竹のための立入)
第67条  森林から水流によつて木材又は竹材を搬出する者は、水流に木材又は竹材を流すため必要があるときは、沿岸の土地に立ち入ることができる。この場合には、これによつて生じた損失を補償しなければならない。

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